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Kilimanjaro Project! レポート 登山5日目

朝日が降り注ぐ ●9月6日 登山5日目3,950mから4,090mへ

朝雲も取れたBARRANCO CAMPからは美しいキリマンジャロが見えるらしい。そしてその手前には今日の登り始めBARRANCO WALLが立ちはだかり、両手を使い登る場面が増えるこのセクションは、視覚障害者、特に全盲の人間にとっては難所となる。
今回ここまで来ている全盲の視覚障害者は、今回のプロジェクトを立案し多くのメンバーを集めた、私の友人でもあるErik Weihenmayer(38歳アメリカ・コロラド州)。彼はエベレストを含む世界七大陸最高峰を登った唯一の全盲の登山家でジョークも大好き。著書も翻訳され『全盲のクライマー エヴェレストに登る』として出版されている。 コバとエリック。黒糖をテイスティング
左がアンディ、右がピーター。ピーターは左手を失っている Andy Holzerは39歳。オーストリアからやってきた彼は先天性全盲で、オーストリアとイタリア国境のドロミテ山塊で活躍するロッククライマーだ。ドイツやハンガリーなどのテレビや雑誌などにも取り上げられている。いつも人をからかっている。
そしてDouglas Sidialoは35歳で地元アフリカ、タンザニアとは国境を接するケニアのナイロビからやってきて、いつも明るいスポーツマンだ。1998年ケニアの首都ナイロビとタンザニアの首都ダルエスサラームにあるアメリカ大使館が同時爆破テロに見舞われ、300人を越える死者と5,000人を越える負傷者が出た悲惨な事件があった。この時日系企業に勤務していた彼はナイロビのアメリカ大使館前を車で通り事故に巻き込まれた。3日間は意識もなく生死をさまよった。なんとか一命を取り留めたが、光は失っていた。そんな彼は恐らくアフリカ初の全盲でのキリマンジャロ登頂となるであろう。 左よりアンディ、コバ、エリック、ダグラス、カール
シェリー(奥さん、写真中央)にガイドされ岩場を登るカール(写真左) 他にアメリカから弱視で難聴という病気の40歳前半のCarlがここまで一緒だ。物静かでいつも優しい。そして私。この2名を加えた5名がここまで来ている視覚障害者だ。
両手を使う岩場は不慣れであればあるほどやはり時間がかかる。
両手に持っていたストックはむしろ邪魔となり、鈴での指示だけでは不十分となる。晴眼者による口頭での指示が不可欠だ。また今日は尾根越えが3つ続くので、登れば下りが必ず現れ、この下りは登り以上に注意と時間が必要だ。 尾根越えが続く。晴眼者には見えてしまう長いみちのり
キリマンジャロをバックに眠る 日程上の標高はあまり変わりがないが、この日は視力に関係なく、メンバーに若干疲労の色が見られた。遅い昼食となって、今日のキャンプ地、KARANGA CAMPに到着。
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